暗闇ダンス
須田剛一という人物をご存知だろうか。知る人ぞ知るゲームクリエイターだ。
彼が関わったゲームは強烈な個性を持っている。普通のゲームでは考えられないデザイン、シナリオ、ゲームシステムから「須田ゲー」と呼ばれている。その彼がシナリオを書いた唯一の漫画作品がある。それが表題の「暗闇ダンス」だ。
この話全体的にクールな雰囲気が漂っている。主人公の海道航はあまり喋らないし、いきなりバイクで夜道を300キロ出して大きな事故になるも取り乱さず淡々と看護師や医者と会話してるしとにかくクールだ。話としてはあまり成立してるとは言い難い部分もあるが、雰囲気だけを見るのであれば最高である。もともと須田剛一の作品は難解を通り越して果たしてちゃんと考えて作っているのかと思ってしまうものが多い。だがそこにあるなんとも言い難い雰囲気は目を見張るものがある。セリフの言い回しや掛け合いも面白く、何も考えずに読んでみることをおすすめする。この作品は決して万人受けの内容ではないとは思うが、一部の人には心に深い印象を残す。
全2巻で価格も通常の漫画とあまり変わらないので、気になった人は気軽にポチってみては?
主人公の海道航。無愛想であまり会話をしないのに、なぜかかっこよさを感じる。余談だが、彼の職業が葬儀屋なのは須田剛一自身が葬儀屋で働いていた経験があるそうで、おそらくそこから来ていると思う。他にも「須田ゲー」に登場するキャラがちらほら出てきたりとファンサービスも意外とあったりする。